1、LAN(Local Area Network)とは? | ||
1.LANとその意義 LANとはLocal Area Network の略で、文字通り、限られた範囲内、例えばオフィスや研究室、建物などに張られたネットワークのことです。このような範囲内でデータをやりとりするためのネットワークをいいます。 LANを導入すると何ができるのでしょうか?LANのメリットはたくさんあります。如何に能力のあるコンピュータを備えていても、実は中身のソフトウェアやデータがなくては有効活用できませんね。家のパソコンなどで個人の趣味目的でしか使わない場合は、目の前にある一台のコンピュータに全てのソフトとデータを揃えておけばそれでいいかも知れません。しかし、オフィスや研究室といった複数の人がそれぞれの役割をもって仕事をこなしているような場合、どのコンピュータからでも最新の情報が閲覧できたり、複数のコンピュータでデータの交換が簡単にできたり、他のコンピュータのソフトを利用できたりすることは、効率性の面からも経済性の面からも多くのメリットをもたらしてくれます。 一般にLANを構築することの利点には、以下のようなものがあります。 コンピュータ同士でデータの共有ができる。複数のコンピュータで作業をしていても、ネットワークでコンピュータをつないでいれば、ファイル保管用のコンピュータを一台にしてしまうことができます。
LANに接続されるコンピュータには、サーバ(server)とクライアント(client)という二つの立場が存在します。サーバはサービスを提供する側であり、クライアントはサービスを受ける側です。サーバと言うと、サービスを提供するOSやソフトウェアがインストールされたサーバ専用機のことをいうこともありますが、サーバ機能をもつOSやアプリケーションソフト自体をいうこともあります。LANで主に必要とされるサーバとしては、ファイルサーバ、プリンタサーバーなどがあります。Webサーバやメールサーバは主にインターネットとのやりとりのために設置されたサーバですが、セキュリティ保護のため、特定のLANの中からしか利用できないなどの制限を設けることができます。 さて、クライアントとサーバの意味を理解したところで、LANの形態を大きく分類すると、 ピア・トゥー・ピア型 (peer
to peer type) ピア・トゥー・ピア型は、ネットワーク上に接続されるコンピュータが全て対等の立場にあり、クライアントとサーバのように、サービスと受ける側と提供する側といった立場の違いがないようなネットワークです。ピア・トゥー・ピア型は、数台のコンピュータからなる小さなLANを簡単に構築することができますが、セキュリティ管理の面で不安があります。最近のOSでは、ピア・トゥー・ピア型のLAN構築時の設定は簡単に行えますし、信頼できる複数のコンピュータを接続してファイルのやり取りができたりする手軽さがあります。 これに対し、サーバによってLAN全体を管理しようとするのが、クライアント・サーバ型のLANです。サーバには、相応のOSを導入し、サーバ管理者によって管理が行われます。この形態では、ピア・トゥー・ピア型と異なり、数百台規模のLANを構築することができます。一方、そのLANの管理者(サーバ管理者)には、セキュリティや設定法などの深い知識が必要です。しかし、安全でかつ安定したLANを構築するためには、サーバ管理者が必要ではありますが、このクライアント・サーバ方式が適しています。
LANでは、複数のコンピュータ(PC)を接続する必要があります。その接続は有線であっても、最近流行の無線であっても構いません。LANの構成要素としては下記のようなものがあります。 クライアントPC
LANがピア・トゥー・ピア方式であれば、接続するPCのOSは Windows Me などでも構いません。しかし、クライアント・サーバ方式でLANを構築するのであれば、サーバにはネットワーク用のOSを使う必要があります。サーバ専用機は、多くのクライアントからの不定期の利用に応じなくてはいけません。また、一部のアプリケーションに不具合が生じてもサーバが死んでLAN全体で迷惑をこうむるようなことが頻繁に生じると、LANの意味がありません。したがって、通常サーバにはサーバ専用の頑強なOSが使用されます。このようなネットワーク用のOSとしては、Windows NT, Windows 2000などの MS Windows の系, Linux, Free BSD などPC-UNIXがあります。 |